2023年1月8日(日)、東京・服部栄養専門学校にて第23回シーフード料理コンクールの実技審査・表彰式が行われました!「魚活チャレンジ部門」「プロを目指す学生部門」合わせて2,542件の応募があった中、書類選考を通過した16名が全国から参加。それぞれの部門のテーマに沿った料理を調理し、服部幸應審査委員長をはじめとした審査委員の試食により各賞が決定しました!
※イベントレポートでは、当日の様子を収めた動画がご覧いただけます。
[委員からのコメント]
さばとトマトが良く合っていて、ボリュームもあり、元気が出る料理。
[委員からのコメント]
たちうおをつみれにしてアヒージョに入れた新しい食べ方。野菜も一緒においしく食べられ、駿河湾を感じることができる。
[主な魚介藻類]
アカガレイ
逸見 優翔さん
鳥取県立鳥取西高等学校普通科2年
[委員からのコメント]
赤ガレイとカレー粉、梨のカポナータの甘みも良く合っていた。
[主な魚介藻類]
グルクン・アーサ
西中薗 凱さん
沖縄アミークス国際学園中等部3年
[委員からのコメント]
小骨の多いグルクンが、もっちりした食感のメンチになりびっくり。ソースの香りがよい。
[主な魚介藻類]
アマエビ(ベニエビ)
玉谷 貴子さん
山形県 会社役員
[委員からのコメント]
パンとえびがマッチして、上品でまろやかな味わい。休日のブランチに食べたい。
[主な魚介藻類]
イワシ・ノリ
村木 彩乃さん
三重県水産物消費拡大促進協議会推薦
三重県立白子高等学校生活創造科3年
[委員からのコメント]
シンプルでおしゃれ、とてもかわいい盛り付けで作ってみたくなる作品。
[主な魚介藻類]
サバ
原田 ゆかりさん
広島県 主婦
[委員からのコメント]
さばとココナッツミルク、野菜のすべてがよいハーモニーを作り出している。サバちゃんが大変身。
静岡県立浜松城北工業高等学校
山﨑 大輝さん
東京都 服部栄養専門学校
ハイテクニカル経営学科1年
[主な魚介藻類]
カレイ
[委員からのコメント]
カレイとお野菜の相性が良く、それぞれの素材の良さが出ていた。ピリ辛味でごはんと一緒にずっと食べていられる美味しさ。
[委員からのコメント]
甘鯛の上品な甘さが活かされていて、簡単に作れて食べやすく、ボリュームたっぷりで美味しい。
[委員からのコメント]
具だくさんで美味しく、たれのトロミも食べ易くて良かった。山形らしい作品。
[主な魚介藻類]
カジキ・エビ
仲地 蓮輝さん
沖縄県立美里工業高等学校調理科3年
[委員からのコメント]
カジキを小さく切ってあり、スパイシーなカレーと良く合っていて日常的に食べたい味。
[主な魚介藻類]
アンコウ
安田 かおりさん
山口県 下関漁港沖合底びき網漁業 ブランド化協議会推薦
下関短期大学栄養健康学科2年
[委員からのコメント]
ソースいらずで、しいたけもアクセントになっていた。じゃがいもとあんこうがベストマッチ。
[主な魚介藻類]
サンマ
福田 隆悦さん
北海道三笠高等学校食物調理科3年
[委員からのコメント]
お魚好きにはたまらない一品。さんまの新しい食べ方になりそう。
[主な魚介藻類]
タイ
淵上 紘明さん
JF宮崎漁連推薦
都城東高等学校調理科3年
[委員からのコメント]
宮崎を感じることのできる作品。ソースも美味しく、盛り付けも素晴らしい。
[主な魚介藻類]
ハタハタ
森谷 彩矢さん
福島県 郡山女子大学食物栄養学科1年
[委員からのコメント]
見た目も味も子どもにおすすめ。食べやすくソースがアクセントになっている。
平岡栄養士専門学校
※この動画は画質(解像度)を変更する事ができます。詳しくはこちらのページにある手順に沿って変更してください。
今年で23回目の開催を迎えるシーフード料理コンクール。第21回、第22回はコロナ禍のため書類審査と再現料理によるコンテストとなりましたが、今回は3年ぶりの実開催となり、喜びの声が至るところで聞かれました。開会式は、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連) 三浦秀樹常務理事による主催者挨拶からスタート。コロナ禍の巣ごもり需要による水産物消費量拡大への期待感を語り、出場者へ激励の言葉を送りました。服部幸應審査委員長(学校法人服部学園 服部栄養専門学校 理事長・校長)も「自分の望む料理をつくってください。慣れない調理場で不安でしょうが、サポートしますので落ち着いてがんばって」と熱いエールを送りました。
魚活チャレンジ部門は「パンにあうおさかな料理」、プロを目指す学生部門は「ごはんにあうおさかな料理」をテーマに総計2,542通の応募の中から、16名の出場者が選出されました。狭き門を潜り抜けた出場者の料理に、期待で胸が高鳴ります。
中学生から主婦の方まで、幅広い層が参加した魚活チャレンジ部門。テーマは「パンにあうおさかな料理」であり、意外性のあるアイデア料理が多く見られました。洋ナシやブロッコリー、パプリカと魚を組み合わせたり。調理方法も、野菜を直接火であぶったり、ミキサーで食材をペースト状にしたりと、さまざまな工夫が見えました。緊張した面持ちの出場者には、審査委員から食材や調理方法についての質問が相次ぎ、思わず産地の話に花が咲く調理台も。クロワッサン、バケット、トースト、さまざまなタイプのパンとあう魚料理に「どんな味なのか」と想像をかきたてられました。
「ごはんにあうおさかな料理」がテーマのプロを目指す学生部門。王道テーマであるために、差別化が図りにくいのではと懸念していましたが、実際の調理風景を見るとそんな心配は吹き飛びました。餃子にコロッケ、カレーのほか、美しい盛り付けでテクニックの光る料理など、調理台ごとにバラエティ豊かな魚料理ができあがっていく様子は圧巻でした。驚いたのは、魚活チャレンジ部門に比べて会場が静かな気迫に満ちていたことです。ピリリとした空気の中、食材を刻む音は規則正しく、無駄がなく洗練された動き、また質問に受け答えしながらも、決して手を休めずに調理を進める出場者たちに審査委員も感心していました。どの調理台でもギリギリまで調理に集中し、丁寧かつきめ細かに盛り付けていました。
実技審査終了後、JF全漁連 三浦秀樹常務理事による講演『持続可能な漁業の実現に向けて』では、「近年、日本の水産物の漁獲量は減少の一途をたどっているが、その原因は乱獲ではなく、200海里の制定や海水温の上昇、護岸工事の影響などがあることを知ってもらいたい。漁業者は未来永劫に魚が獲れるよう自主的管理や放流の他に、栄養塩が流れてくる山に木を植えたり、海底耕耘等を行っており、日本の漁業者・漁協が行う共同管理は世界においても評価を受けている」と、日本の漁業の現状や取り組みについて述べられました。
表彰式は、来賓代表の水産庁漁政部加工流通課 四ケ所信之課長補佐の挨拶から始まりました。
「皆さんの料理に対する創意工夫や熱意が日本の魚料理を発信する力になる。今後もおいしい料理をつくって、水産物の魅力を発信してほしい」と、日本の魚食普及の未来を担う出場者たちへの期待感をにじませました。
結果発表では、それぞれの歓喜の声が沸き上がる会場。受賞者にサプライズでインタビューを行った場面もあり、和やかな雰囲気に包まれました。
審査委員からは、「どれも甲乙つけがたかった」と接戦を感じさせるコメントや「すみずみまで食材を使いつくしており、魚への愛情を感じた」など、出場者たちの料理が丹精込めたものであったことがうかがえるコメントが寄せられました。
最後を締めくくった服部幸應審査委員長の挨拶は、
「今回はテーマの幅が広がったので、作品を作るのに苦労されたと思う。そのため、今回の審査では『パンやご飯と一緒に食べた時に美味しくいただけたもの』がポイントになった。農林水産大臣賞の受賞作品はパンやご飯との相性が非常に良かった。料理では、相性や組み合わせがとても重要になるので、これから料理を作るときに気をつけていただきたい。
また、アドバイスとして他人の料理をまねることも重要。美味しいと思うさまざまな料理をまねて作り、十分に経験を重ねた上で、自分だけの味を作り出していただきたい。」と述べられました。
約20年前に国の食生活指針を受け、米と魚中心の日本型食生活の定着を図る目的で始まったシーフード料理コンクールは、これまで50,000を超えるオリジナルレシピが応募され、食のプロを目指す学生や一般消費者の皆様から様々な場面で楽しめる魚介藻料理が披露されました。優れた栄養特性と機能性をもつ魚介藻類を美味しく楽しんでいただくために、私たちは今後も活動して参ります。このコンクールに作品を寄せられた多数の皆様に対し、厚く御礼申し上げますとともに、後援・協力団体、審査委員、関係各位に対しまして心より感謝申し上げます。
第23回の冊子は、こちらからダウンロードできます。(6.8MB)
レシピブックシーフード料理コンクール
イメージキャラクターのご紹介です。
[委員からのコメント]
見た目も上品で、魚のグラタンをサンドイッチで食べてるような楽しい料理。他の魚での応用もできそう。