2024.12.9
2024年11月4日(月・振替休日)「第10回Fish-1グランプリ」開催!
国産水産物の消費拡大と魚食普及を推進する「第10回Fish-1グランプリ」!記念すべき10回目である今回はお台場での初開催となりました!魚ジャパンフェスとも5年ぶりの同時開催となり、いっそう盛り上がりを見せました。当日は気持ちのよい秋晴れの空。“ぽかぽか”を通り越し、会場は心地よい熱気に包まれていました。両イベント合わせてこの日の来場者数は約7万4千人。かつてない規模になりました。
10時のオープンと同時にぞくぞくとお客様が入場。各店舗前に並ぶ方々からは「毎回来てるんだよね~!」といううれしいお声もちらほら聞こえてきました。会場周辺に漂うおいしそうなお魚料理の匂いに思わず胃袋が「ぐぅ~」と反応してしまいそう。隣接するほかのイベント会場からも「いい匂い~」と多くの方が訪れてくださいました。オープン早々からの賑わいっぷりは、10回を数えるFish-1グランプリが定着してきた証拠ではないでしょうか。
「国産水産物料理コンテスト」では全国津々浦々から一次審査を勝ち抜いた8店舗が自慢のお魚料理を提供しました。プライドフィッシュや低未利用魚をはじめとした地魚を含む国産水産物、またはその加工品(商品)を使用した郷土料理など、オリジナリティ溢れる料理が勢ぞろい!どれから食べるか迷うほどでした。出店者の皆さまは仕込みの時間から忙しそうに手を動かしていましたが、インタビューには気さくに応えてくださる方ばかり。「グランプリを獲るために来ました!」と意気込みを語られたり、料理のアピールポイントを話してくださったりと、イベントにかける思いや魚への愛が伝わりました。復興応援・地魚PRブースではJF全国漁青連の「漁師の浜焼き(貝3種盛り)」、三陸わかめ共販推進委員会の「わかめスープ」、JF福島漁連の「ヒラメとメヒカリのから揚げ」を販売。来場した皆様は王道の海鮮料理から珍しい水産物を使った料理まで、各出展者が趣向を凝らした自慢の料理を味わいつつ、悩みながら投票していました。
オープニングセレモニーは、まず当グランプリの主催者である国産水産物流通促進センター構成員 全国漁業協同組合連合会 坂本 雅信 代表理事会長の挨拶でスタート。続いてご来賓の林 芳正 内閣官房長官のご挨拶、そして当グランプリ審査委員会 中嶋 貞治 審査委員長による開会宣言で幕を開けました。
さて!ステージプログラムのトップバッターはさかなクンです。観客席を埋め尽くす人・人・人!あふれて立ち見も出るほどです。子ども連れのご家族が多いのは、ちびっこファンの多いさかなクンならでは。大きな声で「さかなクーン!!」と呼びかけると、走って登場するさかなクン。「好きな魚を描くね!みんな手を上げて!」との声に「はい!はい!はーい!!」と元気いっぱいにたくさんの手が挙がりました。55秒(ギョじゅうギョびょう)チャレンジで制限時間内にトラフグとクサフグ、2種類の魚を同時に描く場面では焦るさかなクンに「がんばれー!!」と声援が。ほかにもタイやイカ、サケ、ジンベエザメとたくさんの魚種を描いてくれました。最後のイラストはさかなクンオリジナルの「ネコザメ」!!突然のリクエストにもきっちり応えるさかなクン。さすがです!!最後はFish-1グランプリ用の巨大イラストを掲げ、撮影会にも快く応じていました。魚の勉強もできる充実したステージに皆さん大満足です。
次に始まったのは「水産海洋高校生による取組発表」。北海道・小樽水産高校の生徒たちによる発表で、地元の海産物を利用した2種類のパスタソースの開発秘話を語ってくれました。有名ホテルのシェフにご試食・アドバイスをいただいたこと、調理工程の紹介とともに商品化の展望があることなどを見事にプレゼンテーション。北海道の名産であるニシンの名前の由来や、"ソーラン節"のルーツがニシン漁の掛け声であることなど、産地ならではのお魚・漁師情報も、皆さんの関心を集めていました。
続いて行われたのは、プライドフィッシュ10周年ステージでプライドフィッシュプロジェクトについて紹介した後、ビンゴ大会が行われました。
13時を回り、イベントは後半戦に突入。「Dr.馬渕知子と前田敦子さんのトークショー」では「お魚と健康」をテーマにお2人が熱いトークを繰り広げました。馬渕先生によるお魚の栄養情報は、必聴もの。さすがはAKB48の健康管理を一手に担ってきた名ドクターです。一方、前田さんいわくお魚には「食べる」だけでなく「釣る」楽しみもあるとのこと。船舶免許も取得するほどの大の釣り好きだそう。「魚が苦手な子に食べてもらうにはどうすればいいですか?」という馬渕先生の質問に「プロの料理に触れる!」「釣りから入るのもありですよ!」と前田さん。お子さんも魚・釣り好きだそうで「よく海釣り公園に行きます」と笑って話されました。
続いて行われたのは「サザエさん×さかなクン×さかなの日コラボステージ」。サザエさん一家からサザエさんとマスオさんが登場。水産庁長官からサザエさん一家に対し、「さかなの日」応援団の任命式が執り行われました。ちなみにサザエさん一家のお名前は、当時福岡に住んでいた作者・長谷川町子さんが地元の浜である百道浜を散歩しているときに閃いたのだとか。
ここで「さかなの日」アンバサダーのさかなクンが再び登場!「サザエさま~マスオさま~」と貴重なコラボレーションが見られ、会場は大歓声。さかなの日キャラクター名発表では、「『いいなクン』に決定!」と特製イラストと名称が掲げられました。名前の由来は「ボラの子どもである"いな"、SDGsカラーの17色の17の語呂(イーナ)、魚を食べることは環境にも資源にも健康にもいいな!」と3つあるそうです。
活気があったのはステージだけではありません。会場内にはバラエティに富んだ展示・体験ブースが目白押しでした。神奈川県・小田原の魚に触れる「鮮魚タッチ」では豊富な種類の魚を手に取ることができ、名前も学べる食育の場にもなったのではないでしょうか。
親子連れの方々に大好評の手ごね石けん体験ブースでは、環境に配慮した石けんを好きな形にくりぬく子どもたちの姿が。石けんの誕生秘話や海洋環境について紹介する紙芝居も随所で行われていました。同じく毎年大人気の貝殻お絵描き体験では、皆さん思い思いにホタテガイの貝殻にペンを使って好きな魚の絵などを描いている様子が見られました。
水産庁ブースでは「さかなの日」にちなんだ展示などを開催。「さかなの日」賛同メンバー有志によるワークショップも行われ、来訪者用にはシールなど数々の「さかなの日」ノベルティがプレゼントされました。見て、参加して、もらって楽しい!と3度楽しめる満足度の高いブースでした。
大いに盛り上がった流れで迎えた結果発表・表彰式。ご来賓の鈴木 憲和 農林水産副大臣の挨拶では、全国の漁業関係者への御礼の言葉が述べられました。そしてついに国産水産物料理コンテストの結果発表です。表彰式中、「甲乙つけがたい」というコメントが続くほど、どの団体も素晴らしい料理を提供してくださいました。その中で第10回グランプリに輝いたのは、JFみやぎ/戸倉Sea Boysの「~漁師考案~旨みたっぷりみやぎサーモンと牡蠣のバターピラフ」。そして準グランプリは、JF岡山漁連の「岡山海の幸ブラック丼(黒鯛と黒海苔のなめろう丼、出汁茶漬けでもどうぞ)!!」でした。
今年は第10回という記念すべき節目でもある回でした。途中、コロナ禍でオンライン開催に切り替えつつも、魚食普及拡大への歩みを止めずに毎年開催してこられたのは、ひとえに国内外のお魚ファン、漁業関係者の皆さまのおかげです。本イベントを通して今年も一人でも多くの方が魚料理のおいしさや海洋資源の大切さ、漁業関係者の方々の努力を知ってくださったなら、これほど喜ばしいことはありません。今後もFish-1グランプリでは、島国日本の宝である魚の魅力を発信してまいります。
<国産水産物料理コンテスト>
グランプリ
JFみやぎ/戸倉Sea Boys~漁師考案~旨みたっぷりみやぎサーモンと牡蠣のバターピラフ
日本初のASC認証を受けた戸倉産のカキと志津川湾の誇る養殖鮭を主役にした、バターピラフ。小ぶりながらも身のしっかり詰まったカキの身、ピラフの上にのせられた大きな鮭の切り身はお得感バツグン!ピラフはこってりした味と思いきや、随所にドライトマトを使用するなどさっぱり感も上手に演出。最後の一口まであっという間でした。
※写真はイメージです。
準グランプリ
JF岡山漁連岡山海の幸ブラック丼
(黒鯛と黒海苔のなめろう丼、
出汁茶漬けでもどうぞ)!!
「岡山旬の魚総選挙」秋の推し魚1位のクロダイと、岡山海苔を主役にした丼。こりっとした黒鯛のなめろうは濃い味付けでご飯にぴったり!磯の香漂う柔らかい黒海苔との相性も抜群です。締めは出汁をかけてお茶漬けに。ほんのり甘さを感じる優しい味が、五臓六腑にしみわたります。パリパリのクロダイ骨せんべいもよいアクセントに。徹底的に素材を生かしつくす姿勢に脱帽でした。
※写真はイメージです。
大日本水産会会長賞
JF勝浦女性部・JF新勝浦市女性部勝浦風漁師カレー(サザエカレー・伊勢海老添え)
豪快に伊勢海老をどーんと乗せた特製カレー。ルーにはゴロゴロとサザエがふんだんに海の幸が使われ、大満足の一品です。さすがは日本が誇る有数の伊勢海老・サザエの産地、勝浦の誇る漁師カレー。磯の香がふんわり漂うルーと歯ごたえ抜群の新鮮な具材をほおばると、まぶたの裏にご当地勝浦の海が見えるようでした。
※写真はイメージです。
全国水産卸協会会長賞
JF兵庫漁連/JF兵庫女性連
兵庫県女性連監修
3回楽しめる!!5種の海鮮焼きそば
牡蠣・甘えび・タコの身が豪快にゴロゴロ入った焼きそば。瀬戸内海と日本海の海の幸が大集結したボリューム満点の一品です。カニの海苔出汁をかけて食べるもよし!さらに胡麻油で焼いたライスバンズに焼きそばをはさむもよし!それぞれ違った味わいを楽しめます。一度に3種類の食べ方を楽しめるお得なメニューは、ここでしか味わえませんでした。
※写真はイメージです。
全国漁業協同組合連合会長賞
中島水産(株)じっくりことこと煮込んだサフラン香るブイヤベース
エビ・カニ・魚のアラのエキスが凝縮され、海鮮のうま味がしっかり出たブイヤベースです。長崎県産低未利用魚アイゴの切り身や普段なら廃棄されてしまう部位を利用するなど、漁業資源の活用をしっかり考えた一品に。濃厚なブイヤベースのしみこんだ大ぶりの具材に舌鼓を打ちつつ、バゲットをひたして食べるのも最高!最後の一滴まで飲み干したくなる珠玉の逸品でした。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
長崎県産低未利用魚ほか
審査員特別賞
シダックスコントラクトフードサービス(株)フカカツWタルタル
ふんわりと柔らかな気仙沼産ヨシキリザメの白身をバンズで挟み、タルタルソースとレモンの爽やかな酸味で身のおいしさを引き立たせた一品です。ソースには宮城県が誇る名産品「いぶりがっこ」と「ずんだ」を入れるなど、東北復興への願いも込められています。ファストフードの概念を覆す、ヘルシーで食べたくなるバーガーでした。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
宮城県産ヨシキリザメ
さかなの日特別賞
(株)第一ビルサービス(はまだお魚市場)山陰浜田直送「バトウめし」
シンプルながら、うまみの利いた鰹出汁が素材の味を最高に引き立たせる「バトウ飯」は島根県浜田市のご当地グルメ。地元ではおなじみの深海魚マトウダイ(バトウ)は柔らかくも歯ごたえのある身が魅力です。プリプリの身は刺身で食べても美味しいと評判ですが、ここでは特製ダレと刻みのり、炊き立てご飯が織りなすハーモニーが絶妙でした。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
島根県産マトウダイ
さかなの日特別賞
JF宮崎漁連あごだし宮崎魚うどんA・GO おび天付き
宮崎県の郷土料理「魚うどん」「おび天」を一度に味わえるメニュー。ほっとする甘めのつゆには魚うどんからしみ出たあご(トビウオ)の出汁が効いています。ふわふわと柔らかいうどん麺とおび天はつゆを吸って、嚙むたび口の中にじゅわっとうまみが広がります。郷愁を誘うやさしい味に、身も心もほどけること間違いなしの料理でした。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
宮崎県産トビウオ
宮崎県産天然ブリ