甘辛く煮た「トコブシ煮付け」は大島の郷土料理!
おかずに、おつまみに。至福の味を堪能ください
複雑な海底地形と黒潮などの海流と相まって好漁場が形成されている大島周辺海域で、トコブシは漁獲されます。トコブシはアワビの仲間(ミミガイ科)で、主に潮間帯の転石に生息。水深20mくらいまで分布していて、殻長は7cmほどにもなります。貝殻の形によって、丸みがあり殻が膨らんでいるフクトコブシ型、薄く成長脈が強いナガラメ型、トコブシ型の3型に分類されますが、大島で採れるものは大半がフクトコブシ型。そのなかで殻長4.5cm以上のものを、「東京(大島)のトコブシ」と呼んでいます。
かつては磯で手軽に採れていたトコブシですが、現在では量が激減し高級なものになりました。味や栄養素はアワビとほぼ同じですが、アワビとは違い熱を通しても硬くならず、やわらかいのが特徴。大島では、トコブシを醤油と酒と砂糖で殻ごと煮込んでつくる「トコブシ煮付け」が郷土料理として知られています。また、新鮮な魚介類が展示販売される海市場では大島町の優良特産品に選ばれているトコブシ煮付けの商品が販売されています。甘辛く味付けされたトコブシは、ご飯のおかずにも酒のおつまみにも最高!ぜひ口にして至福の時を感じてください。
また、トコブシは別名で「フクダメ」と呼ばれることから、「福がたまるように」と願った縁起ものとしても扱われます。節句の神饌のひとつとして、おせち料理の重箱の4段目に入る煮物として用いられることもあります。
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