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八丈春とび


旬:2~5月

八丈島に春を知らせる「春とび」。
生でいただく白身の上品な味わいが絶品!

プライドストーリー

伊豆諸島で漁獲量1位の地域を代表する魚。
刺身から天ぷら、くさや、郷土料理まで多彩に活躍!

 春になると、伊豆諸島にはトビウオが産卵のために大量に来遊します。その中でも最も水揚げ量の多い八丈島で水揚げされるトビウオのことを「八丈春とび」と呼び、古くから親しまれています。春を告げるおめでたい魚である「春とび」は、すべて「ハマトビウオ」といわれる種類で、大きくなると体長50cmを超える、世界で一番大きなトビウオとして知られています。
 自らの力で海上を飛ぶトビウオ。筋肉質な魚体のため、身は脂が少なく、味は上品で淡白。日帰り操業により実現する新鮮な味は、刺身が絶品です。3枚におろした身をすり身にして、味噌、ネギ、ショウガ汁とよく練り合わせていただく「たたき」もおすすめ。他にも塩焼きや唐揚げ、フライや天ぷらはもちろん、さつま揚げ、ムニエル、たたきのつみれ汁など、活躍の場はさまざま。伊豆諸島独特の干物である「くさや」の原料としても高い需要があります。
 八丈島には、春とびを使った郷土料理「島ずし」があります。「島ずし」とは、春とびの刺身を醤油から作ったたれに漬け、甘めの酢飯で握ったお寿司のこと。醤油に漬けた刺身が飴色に輝くことから、「べっこうずし」とも呼ばれています。八丈島では2月3日の節分の日に「島ずし」を食べる習慣があり、島の人々は節分前になると「春とびはまだか。」と首を長くして待ちわびます。春とびの初水揚げが、人々に春を伝える役割を担っているのです。
 島の人々に愛される春とびは、現在では、安心・新鮮・美味にこだわった、「東京ブランドの水産物10種」のうちのひとつに選定されています。

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水揚げ漁港や漁法

温暖な海流はトビウオの好漁場。
日帰り操業による高鮮度が自慢

 黒潮の流域となっている伊豆諸島は、温暖な海域を好むトビウオの好漁場。八丈島の水揚げ量は、伊豆・小笠原諸島最大の漁獲量を誇ります。
 しかし現在の好況に至るまでには、かつての危機を乗り越えた漁業者たちの努力がありました。1980年代後半、八丈島での漁獲は激減し、1990年には全く獲れない状態に。そこで漁業関係者の指導のもと、資源管理型漁業を取り入れたTAC(総許容漁獲量規制)を実施。近年、数十万匹の漁獲にまで回復したのは、この取り組みの成果なのです。
 漁獲は、魚の通り道に長い網を潮流に流すように置き、泳いできた魚が刺さったところを引き上げる「流し網漁」で行われます。夕方に出漁し、翌朝には帰港して水揚げするため、抜群の鮮度が自慢です。

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