その名の通り、可憐な色彩と上品な甘みが魅力。
淡泊ながら旨味にあふれた身は、料理法を選ばない
アカアマダイは名前のとおり、赤色を帯びた体が印象的な魚。眼の後ろには三角形をした銀白色の斑紋、尾びれには4、5本の黄色い縦縞があります。アマダイという名前の由来は、身に上品な「甘」みがあることや、横顔を見ると頭を眼のすぐ前で切り落とした様な顔つきをしており、頬被りした「尼」僧に似ていることからきていると言われています。
このアカアマダイのことを、島根県では「コビル」と呼んでいます。これは、アカアマダイが鯛と名前のつく他の魚に比べて大きくならないことからついたとされる呼び名。ほかに「クズナ」という地方名もありますが、古書には「屈頭魚(くずな)」とあり、頭がへこんだように見えることに由来していると考えられます。
淡泊にして非常に旨味があり、高級魚として珍重されている「コビル」。刺身、煮付け、塩焼き、そのほかにも、みそ漬け、粕漬けなど、さまざまな調理法で味わうことができます。特に、一夜干など開きにすると余分な水分がなくなり旨味が一層増して美味。また淡白で上品な味であることから、洋食にも好んで使われます。
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