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島根県

ノドグロ(アカムツ)


旬:9~12月

煮ても、焼いても、刺身でも。
脂がたっぷり乗った「白身魚のトロ」

プライドストーリー

とろけるような白身の、深く濃く、そして甘い旨味。
島根が誇る、深海の赤い宝石を堪能したい

 体が赤く正式名称は「アカムツ」という名ですが、口の中が黒いことから、日本海側では山形県以西、太平洋側では九州の一部地域で「ノドグロ」とも呼ばれていました。これが一般化し、現在では全国規模へと広がっています。  昭和30年代まで、ノドグロはあまり人気のない魚でしたが、近年はマダイやヒラメ、トラフグにも負けない高級魚として珍重されています。その魅力は、見事な脂の乗り。「白身魚のトロ」とも言われる身は、まるでとろけるよう。旨味は深く濃く、そして甘い。年間を通して美味しい魚ですが、特に脂が最も乗った秋のノドグロは特におすすめ。食べた人を魅了し、賞賛される味わいです。
 一般には煮付け、焼きものでいただくことが多いですが、やはり極めつけは刺身。特に、皮の部分を湯引きで仕立てる「松笠造り」は至極の味わいです。一口食べれば、誰もが唸ってしまうことでしょう。
 浜田市では、ノドグロを市の魚に選定しています。「浜田市水産物ブランド化戦略会議」に加盟の沖合底びき船により、8月から翌年5月までに漁獲された80g以上の新鮮なノドグロを「どんちっちノドグロ」としてブランド化。ノドグロが、地域活性化のシンボルとして活躍しています。

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水揚げ漁港や漁法

日本海南西海域の大陸棚が好漁場。
素人目には分かりづらい、泥場のノドグロこそ本命

 島根県では、沖合底びき網、小型底引き網、はえ縄、釣、刺し網といった様々な方法でノドグロを漁獲していますが、大部分は底びき網です。隠岐島周辺から対馬にわたる、日本海南西海域の大陸棚は好漁場。特に、8~10月頃には中・大型のノドグロが県内の主要な市場で多く水揚されます。
 一般的には魚の選び方として、色・つやの良いものを選びますが、ノドグロの場合は異なります。天然礁(瀬)で漁獲されたものは鱗がしっかりついており色・つやとも申し分ありませんが、脂の乗りが今一つ。一方、底びき網によって泥場で漁獲されたノドグロは鱗がはげ白っぽくなっています。一見鮮度が悪く見えるのですが、実はその白さの正体こそが、濃厚な旨味につながる「皮下脂肪」。泥場には、天然礁(瀬)よりもノドグロのエサとなる甲殻類が豊富なため、ここで育つノドグロは皮下脂肪をたっぷり蓄えているのです。決して鮮度が悪いのではなく、漁師に「ノドグロは泥場のものに限る」と言わせるほどの美味を誇ります。 

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