漁獲後たったの30分で煮沸。
うまさの秘訣はスピードにあり
香川県産いりことは、燧灘で漁獲されたカタクチイワシを加工した煮干しのこと。サイズにより大羽、中羽、小羽、カエリという銘柄があります。大羽<オオバ>は、8cm以上で6月上旬~下旬に水揚げされるもの。中羽<チュウバ>は、6~8cmで7月下旬~9月上旬水揚げされるもの。小羽<コバ>は、4~6cmで7月中旬~8月上旬水揚げされるもの。カエリは、3~4cmで7月上旬~中旬、9月中旬前後に水揚げされるものです。
漁場と加工場が非常に近いため、漁獲から加工までを網元が一貫して生産するのが香川県産いりこの最大の特長です。獲れたカタクチイワシは、海水氷で満たした高速運搬船に移して、直ちに帰港。海岸沿いに建つ加工場へは、ホースを使ってフィッシュポンプで直送し、すぐに煮沸をはじめます。鮮度が命といわれるいりこづくり。漁獲からわずか30分で煮沸するこの一貫生産体制こそが、上質ないりこづくりの生命線です。
いりこの良し悪しを決めるポイントは3つ。まず、脂肪が少ないこと。脂肪が多いと脂焼け(黄褐色)が出て、味も渋くなってしまいます。次に、程よく乾燥していること。水分が18%以下のものが良品といわれ、20%を超えるものはよくありません。3つ目はつやと照りが良いことです。
通常の場合「折れ」や「腹切れ」のないものが良品とされています。瀬戸内産カタクチイワシの中では白口のものが上級で、その中でも鱗のついた、俗称「銀つき」と呼ばれるごく一部のいりこだけが「銀つきいりこ」と呼ばれ、最上級品として位置付けられています。
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