全国初の養殖に成功したエゾイシカゲ貝。
震災を乗り越え復活した、陸前高田広田湾だけの「幻の貝」
エゾイシカゲ貝の生産量は非常に少なく、従来、活貝での流通はごくわずかしかありませんでした。そこで、広田湾では平成7年からエゾイシカゲ貝の天然採苗・養殖技術の開発に力を入れ、さまざまなノウハウを確立し、平成8年に全国で初めて養殖の事業化に成功しました。現在も産業レベルのまとまった形で養殖を行っているのは、全国で陸前高田の広田湾だけの「幻の貝」となっています。
生産量は養殖開始当初の数十㎏から年々順調に増加し、平成22年には37tにまで増加しました。しかし、平成23年の東日本大震災によって養殖施設は壊滅的な打撃を受け、エゾイシカゲ貝は全て流失してしまいました。
東日本大震災によって全てを失った漁業者ですが、懸命の努力と国の「がんばる養殖復興支援事業」の協力によって、養殖に必要な環境を復旧させ、平成25年7月には、震災後、初の出荷にまでこぎつけました。平成26年の生産量として47tの出荷を計画しているところです。
エゾイシカゲ貝は、トリガイの仲間で市場では「石垣貝」とも呼ばれていて、味は甘みと旨みが強く、タウリン・グリシン・アルギニン等の栄養分を豊富に含んだ「幻の貝」です。
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