本州一の水揚げ量を誇る岩手の秋さけ。
秘訣は古くから行われているふ化放流
川でふ化したさけの稚魚は、3月から5月にかけて海へ下り、1ヶ月ほどを湾内で生活します。この1ヶ月は、北洋へ旅立つための力を蓄える期間。湾内で豊富な動物プランクトンを食べ力をつけます。その後、岩手県では餌の少なくなる5月ごろ、約8~10cmになった大きな稚魚が北洋へ向け移動を始めます。水温が13℃台になる6月下旬には全ての稚魚が旅立ちます。稚魚たちはアラスカ沖・ベーリング海を回遊し、3~5年を経て、生まれた川に戻ります。
岩手県では自然環境での稚魚のふ化のほか、各河川のふ化場において稚魚の生産・育成を行い、春先に放流しています。この取り組みは、岩手県の秋さけ資源の保護に大きな役割を果たしており、岩手の秋さけは本州一の水揚げ量を誇ります。
秋さけは、低カロリーかつ良質なたんぱく質が豊富。抗酸化作用があるアスタキサンチンも多く含みます。アスタキサンチンは、さけの赤みの元。本来白身である秋さけの身を赤く色づけています。
岩手のいくらは皮が柔らかく品質が良いため、市場から非常に高い評価を得ています。これは、岩手県の秋さけ漁の主な漁法が定置網漁であるということに深く関係しています。定置網漁では、網の中に入った秋さけを漁獲しますが、網を揚げる段階ではさけは生きており、水揚げした後すぐに近くの魚市場へ出荷するため、鮮度が非常に良い状態で流通します。それに加えて、いくらは河川に遡上すると粒が大きくなり、皮が硬くなっていきますが、河川に遡上する前に定置網で生きた状態で漁獲することで、柔らかく品質の良いいくらに加工することが可能となります。
いくらは、頭の働きを良くし、コレステロールを下げる効果があると言われるDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含んでおり、DHAのカプセルと言えます。
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