食材の宝庫と言われる若狭湾を代表する魚。
淡白で繊細な身は、汐で旨味が冴えわたる
かつて帝(みかど)に食べ物を供することが許された国として「御食国(みけつくに)」と呼ばれた若狭(福井県)。この食材の宝庫、若狭湾で獲れるアマダイは「若狭ぐじ」と呼ばれ、昔から若狭ぐじは和の最高級食材のひとつとして知られています。
アマダイの名は身肉に甘味があることに由来し、白身の魚で淡白な中にも味わいの深い、大変美味しい魚です。また、その角張った頭の形から「屈頭魚(くつな)」と呼ばれ、それがなまって「くじ」、「ぐじ」になったといわれております。
アマダイはタイ科とは別のアマダイ科に属していて、このアマダイ科には日本では5種類が確認されていますが、「アカアマダイ」、「キアマダイ」、「シロアマダイ」の3種類がほとんどを占めており、若狭湾で漁獲されるアマダイは、ほとんどが「アカアマダイ」となっています。
「若狭ぐじ」は、淡白な中にも味わいのある大変おいしい魚です。水分が多くて身肉が柔らかく、身離れしやすいため、刺身には不向きですが、生食には身をおろしてから昆布締めにすると、水分も取れ、旨みが引き立ち、おいしく召し上がれます。背開きにして一汐したものを、鱗をつけたままさっと焼いた「若狭焼き」は、ぐじの典型的な食べ方で味は絶品です。汐で身を締めたものは、揚げ物・酒蒸し・椀種に好適で、味噌漬けや糠漬けにも絶品です。
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