成長とともに名を変えて親しまれる出世魚。
漁獲量が増え、より親しまれるようになりました
『鰆』という漢字から、鯛と並んで春の魚と称されるサワラは、成長とともに呼び名が変わる出世魚として知られています。石川県では、50cm以下のものはサゴシ、50~70cmのものはヤナギ、それより大きいものはサワラと呼ばれています。かつて石川県ではほとんど漁獲のない魚でしたが、2000年ごろから急激に漁獲量が増加。県民にとってなじみの深い魚となりました。鰆の文字から春以外のサワラは時期はずれのように思われがちですが、石川県沿岸には9月頃にサゴシで来遊し、11月頃まで成長し、冬の期間は一旦南下して、春以降一回り大きくなり、サワラとして順次来遊してきます。特に秋頃に来遊してくる成長したサワラは、脂肪をたっぷりと蓄え、濃厚な味わいになっており必見です。
透明感ある白身は鮮度の証。水分が多いため味が変化しやすく、水揚げ後は早めに調理することが重要です。淡白ながらもふわりと広がる甘みが絶妙。癖がないため、焼き物、揚げ物と料理法を選ばない素材です。尾に近い部分が美味で、塩焼きや照り焼き、ムニエルなど、野菜と一緒に食べることができる、魚好きに最適な1尾です。
体内の余分なナトリウムの排出を促し、血圧上昇を抑制する働きがあるカリウムがとても多いので血圧を下げる魚として注目されています。DHA、EPAも豊富なので記憶力や学習能力の向上が期待できます。また、血液中の中性脂肪とコレステロールを減少させ、高血圧症や高脂血症、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化予防、生活習慣病予防の役割も期待できます。
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