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池袋西口公園野外劇場 グローバルリング シアターにて「第9回Fish-1グランプリ」を開催しました!当日はあいにくの雨にもかかわらず、約1万5千人もの方にご来場いただきました。日本の魚食普及推進のために、2013年から継続してきた本イベントの人気度・注目度がうかがえます(2021・2022年度は「おうちでFish-1グランプリ-ONLINE-」として開催)。「お魚だいすき!」「毎回楽しみにしているんです」という根強い“お魚ファン”、興味深げにお立ち寄りくださった初めてのお客様など、多くの方々に魚の魅力を存分にご堪能いただけたイベントになりました。
開場前から入口には長蛇の列が。池袋駅すぐそばという立地もあり、通りがかりに興味を惹かれて入っていくお客様の姿も見受けられました。最低気温4.6℃、雨も降り、吐く息も白い。そんな寒さの中、会場内にただようおいしそうな魚料理の匂い、温かな湯気、漁師さんたちの熱気が悪天候にもかかわらず多くのお客様を呼び込んでくれたのかもしれません。
オープニングセレモニーでは、まず当グランプリの主催者である国産水産物流通促進センター構成員 全国漁業協同組合連合会 坂本 雅信 代表理事会長から挨拶がありました。続いて、来賓として林 芳正 内閣官房長官からお言葉をいただいた後、当グランプリ審査委員会 中嶋 貞治 審査委員長による開会宣言でスタートしました。
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坂本 雅信 代表理事会長による主催者挨拶
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中嶋 貞治 審査委員長による開会宣言
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開場数十分でかなりのにぎわいを見せていた国産水産物料理コンテストのキッチンカーエリア。全国津々浦々、漁師が誇るほんとうにうまい魚「プライドフィッシュ」やその土地ならではの自慢の食材を使った料理を前に、「どれもおいしそう~」と嬉しそうな悲鳴がそこかしこに聞こえるようでした。店舗をはしごするお客様の姿も。各ブースでは料理を宣伝する色とりどりのPOPや大小さまざまなのぼりが設置されて大賑わい。中には実物の魚を展示している団体もあり、魚を食べてほしいという熱い思いが料理だけではない色々な形で見られました。復興・地魚PRブースではJF全国漁青連によるホタテガイ・カキ・ツキヒガイの貝3種盛の販売や、復興PRとしてJF福島漁連による常磐もののヒラメとメヒカリの唐揚げや三陸わかめ共販推進委員会のわかめスープを販売しました。また規格外のコノシロを使った低未利用魚のつみれ汁等も販売され、大好評でした。
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一方、ステージも料理の熱気に負けない魅力的なものばかり。オープニングセレモニーの後に始まったのは「さかなクンステージ」。ステージを取り囲むように、立ち見の方々も大勢いらっしゃいました。観覧しているのは小さなお子さんが多く、「さかなクーン」とみんなで元気に呼びかけると明るい笑顔でさかなクンが登場。大きな模造紙に魚のイラストを描きながら、クイズを出題。子どもたちが「はい!はーい!」と元気いっぱいに手を挙げる姿がほほえましかったです。ステージの終わりには、今回1月1日に発生した能登半島地震について、被災地へ温かいエールを送っていました。
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次に始まったのは、水産庁長官による任命を受けた「お魚かたりべ」の早武 忠利さん親子のステージショー。魚の模型や大きな布に描かれたイラストなどを使った工夫を凝らした演出で、魚の生態や、海の資源を守るための無駄のない食べ方、その住処である海を守るための方法をレクチャーしてくださいました。
続いて行われたのは、JF全国女性連の「わかしお石けん50周年PRステージ」です。このステージでは浜のお母さんたちの石鹸開発秘話が話されるとともに、人と環境に優しい天然石けんについてのクイズが出題されました。
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さて、ここで再びさかなクン登場です!!
「プライドフィッシュ10周年×さかなの日×さかなクン ステージ」ではJFグループが推進する国産水産物の消費拡大の取り組み漁師自慢の魚「プライドフィッシュプロジェクト」と水産庁が官民協働で推進する魚食普及の取り組み「さかなの日」の2つの取り組みについて、さかなクンと一緒にクイズ形式で紹介。ひっかけ問題を交えながら、みんなで学びました。終了後には、2回目のさかなクンステージです。再び、魚のイラストを描きながらクイズを出題し、会場のお子さんたちとのやり取りを楽しむさかなクン。Fish-1グランプリ用に特別に描き下ろしたイラストを掲げたさかなクンの撮影タイムも設けられるなど、ファンサービスに富んだステージでした。
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音楽ステージも会場を大いに盛り上げます。さかなクンが長年ファンだという森田釣竿さんのフィッシュロックバンド「漁港」のライブでは、魚や海にちなんだ楽曲が演奏されました。時に和太鼓などの伝統楽器も取り入れたユニークな音楽、曲の合間に相の手を求める森田さんに観客席も全力で応えていました!!
次は「さかなの日」賛同メンバーの中学1年生・佐々木蒼大さんによる「鯛の鯛(たいのたい)」の研究発表です。「鯛の鯛(たいのたい)」とは魚の胸びれを支えるホネ(肩甲骨)を指し、その独特の形に魅せられた佐々木さんは、様々な魚の「鯛の鯛図鑑」を作成したのだそう。本日の国産水産物料理コンテストに使われた魚の「鯛の鯛」の写真を見せたり、魚から取り出す方法や保存方法などをレクチャーしたりしてくれました。
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徐々に雨も上がってきたころ行われたのはAKB48メンバーと専属ドクターの馬渕知子先生のトークショーとミニライブ。「好きな魚、苦手な魚は?」といった問いかけに各メンバーがトークとフリップで回答(時にはかわいい手描きのイラスト付きで)。各々の挙げた魚に対し、馬渕先生がオススメの調理法やどんな栄養素が含まれるかなどをレクチャーしてくださいました。ミニライブでは「ヘビーローテーション」「言い訳 Maybe」「恋するフォーチュンクッキー」など誰もが知るヒットソングの後に、「おさかな天国」をオリジナルの振り付けで披露。AKB48が歌うおさかな天国で、目と耳と心で魚を食べることの大切さが伝わったのでないでしょうか。
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活気があったのはステージだけではありません。会場内にはバラエティに富んだ展示・体験ブースが目白押し。海の生き物に触れるタッチプールには「ドチザメ、ホシザメ、カワハギ、イセエビ、ナマコ…」といった豊富な種類の魚が泳ぎ、小さなお子さんたちが大喜びだったそう。
手ごね石けん体験ブースでは、環境に配慮した石けんを好きな形にコネコネしたりくり抜いたりして、自分だけのオリジナル石けんを作っていました。また、貝殻お絵描き体験では、ホタテガイの貝殻にペンを使って好きな魚の絵などを描いていました。
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漁師たちの健闘を湛えるように、少しずつ空が明るくなってきた15時半。いよいよ表彰式です。ご来賓の武村 展英 農林水産副大臣の挨拶では、全国の漁業関係者への御礼の言葉が述べられました。また、能登半島地震で亡くなられた方へお悔やみを述べるとともに、被災された方へお見舞いの言葉が述べられました。その後、プレゼンターとして参加したAKB48メンバーから長年の魚食普及の取り組みをたたえ、JF全国女性連、JF全国漁青連に感謝状が贈呈されました。そしてついに国産水産物料理コンテストの結果発表です。第9回のグランプリに輝いたのは、JF大阪漁連の「北大路魯山人も認めた『泉州真穴子の天丼』」。分厚い真穴子をカリっとした衣で包んだ天ぷらと、濃厚なタレと絡んだご飯とのハーモニーが多くの方の心を掴みました。そして準グランプリは、戸倉SeaBoys(JFみやぎ)の「漁師考案・旬の味『戸倉っ子こかきドッグ』」。カキの天ぷらと酸味の効いたレモン仕立てのソースが柔らかなパンに非常にマッチし、味の新境地を感じる一品でした。
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坂本 雅信 代表理事会長による主催者挨拶
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枝元 真徹 会長による来賓挨拶
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網野 裕美 会長による来賓挨拶
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JF大阪漁連の『北大路魯山人も認めた「泉州真穴子の天丼」』
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悪天候での開催にもかかわらず、約1万5千人もの方々が訪れた本イベント。一人でも多くの方が魚料理のおいしさや海洋資源の大切さ、漁業関係者の方々の努力を知ってくださったなら、こんなにうれしいことはありません。今後も「Fish-1グランプリ」では、島国日本の宝である魚の魅力を発信し、国内外に“お魚ファン”を増やしていけるような取り組みを行ってまいります。
<国産水産物料理コンテスト>
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グランプリ
JF大阪漁連北大路魯山人も認めた「泉州真穴子の天丼」
ご飯の上にドーンと乗った天ぷらの迫力にびっくり!! 美食家の北大路魯山人が認めた大阪(泉州)の真穴子は肉厚の身が特徴です。さっくりした衣を箸で割り、一口かじるとその身の柔らかさに感動を覚えます。特製タレ・刻みノリの絡んだ白ご飯との相性は抜群で、ご飯をかき込む箸が止まりません。しらす、大葉、レモンと一緒にいただくのも◎。
※写真はイメージです。
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準グランプリ
戸倉SeaBoys(JFみやぎ)漁師考案・旬の味「戸倉っこかきドッグ」
宮城県は南三陸町戸倉の若手漁師たちが考案!「カキをホットドッグに」と斬新なアイデアの光る一品です。日本で初めてASC認証を受けた戸倉のカキは、小ぶりながらもしっかり詰まった身が魅力。一口食べる度に「ぷりっ、じゅわ~」という触感が口いっぱいに広がります。ほのかに香る柑橘ソースの爽やかな酸味、付け合わせのきんぴらごぼうの素朴な味、柔らかなパン生地とも絶妙にマッチ。思わず「もう1個」と手が伸びてしまいそうです。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
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大日本水産会会長賞
JF和歌山漁連さくらびんちょう食べてみてねセット
淡い桜色の身から「さくらびんちょう」とも呼ばれるビンチョウマグロを5種の食べ方で提供したセット。刺身を箸でつまむとあまりの透明感で身が透けて見え、その美しさにため息が出ます。ぷるんと柔らかい身は、舌の上に乗せると溶けてしまいそう。大葉と漬け、トマトとマリネ、シーチキンと梅のお寿司3種を楽しんだあとはお吸い物を。ほんのり優しい出汁の味と柔らかな炙りの身に、胃も大満足。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
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全国水産卸協会会長賞
JF三重漁連・割烹田舎・尾鷲市・尾鷲市海面養殖振興協議会
“幻の高級魚”おわせマハタ丼
マハタはコラーゲンたっぷりの歯ごたえのある白身の魚。尾鷲市はその一大産地です。稀少な高級魚であるマハタの身の味を引き立てるのはフルーティーな風味のソース。中骨を煮込んだ醤油と尾鷲甘夏を使用した爽やかな酸味の卵黄ベースソースは、マハタの繊細な味にぴったり。付け合わせにはこんぶ、ニンジン、ダイコン、ミョウガとヘルシーさを感じさせるものばかりで、「丼」のイメージをよい意味で覆す一品でした。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
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全国漁業協同組合連合会長賞
JF兵庫漁連鯛と紅ガニのゴマ漬け丼
兵庫の海の至宝、上品な旨味の兵庫県産真鯛とぷりっとした甘い身の香住ガニ(ベニズワイガニ)、風味豊かな兵庫のりを使用した欲張り丼。ごまだれの効いた鯛の切り身と贅沢なカニのほぐし身はそのままでも、大葉やのりと食べてもよし。ご飯とともに半分ほど食べ進めたころにあつあつの出汁をかけると、二度おいしい。上品な味の出汁茶漬けは締めにぴったりです。体の芯から温まります!!
※写真はイメージです。
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審査員特別賞
小田原の魚ブランド化・消費拡大協議会小田原あんこうカレー
小田原自慢の活かしのあんこうを使った一品。鍋料理に使われるイメージの多いあんこうを別の調理法で楽しめないかと試行錯誤し、生まれたそうです。海鮮の風味がほどよく感じられるルーも絶品ながら、具に使われているごろっとしたあんこうの切り身もまたうまい。トッピングの唐揚げにもあんこうがふんだんに使われ、余すことなくその魅力を堪能できます。
※写真はイメージです。
主な原材料魚種
キアンコウ
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さかなの日特別賞
JF岡山漁連岡山海の幸デミカツ丼
~ご当地グルメ 冬の味覚かき&クロダイver~
岡山県は季節ごとに豊富な魚種が獲れます。本品に使われているのは「おかやま旬の魚総選挙」秋の推し魚1位クロダイ、冬の推し魚1位のカキのフライ。デミソースの濃厚さともマッチし、食べ応え抜群です。ご飯の上に乗せられたキャベツの千切りとグリーンピースは鮮やかな彩りを表現。野菜のシャキシャキ感とトッピングのノリの磯の香がほどよいアクセントに。
※写真はイメージです。