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三重県

三重の
海女獲りあわび


旬:7月~9月

「あわび王国」と称される伊勢志摩。
コリコリと引き締まった身を噛めば、旨さがほとばしる

プライドストーリー

2000年以上前から伊勢神宮へ奉納してきた縁起物。
思わずうなる味わいと食感は、まさに磯の宝

 リアス式海岸で有名な鳥羽・志摩地方を中心とした岩礁域は、あわびのエサとなるコンブ科のアラメやカジメなどの海藻が繁茂する、日本有数の好漁場です。県内では2000年以上も前から海女漁が行われていたとも言われ、古来よりあわびは長寿をもたらす縁起物とされ「熨斗鮑(のしあわび)」が神への供物として用いられてきました。あわびを薄く切って伸ばした「熨斗鮑」は、贈答品に巻く「のし紙」のルーツです。2013年、20年に一度の式年遷宮を迎えた伊勢神宮では、鳥羽市国崎町(くざきちょう)で古来から伝わる製法でつくられた熨斗鮑を、6月と12月に行われる月次祭(つきなみさい)、10月の神嘗祭(かんなめさい)で奉納する風習が続いています。三重県にとってあわびは、文化や歴史と切っても切り離すことのできない大切な食材です。
 新鮮なあわびを炭火で炙れば、たちまち立ち上ってくる磯の香り。ジュッと弾ける音もまた食欲をそそります。コリコリとした肉厚の身を噛みしめれば、たちまちジューシーな旨味と味わいが口いっぱいに。現役の海女さんが語るエピソードに耳を傾けながら、獲れたてのあわびを「海女小屋」でいただくのも一興です。
 また、地元・志摩地方を中心に「子どもを宿した女性があわびを食べると目のきれいな子が生まれる」という言い伝えがあり、今でも意識して食べる女性が多いとか。特にオスとメスのつがい〈黒あわび→オス、メガイあわび(白あわび)→メス〉で食べるとより効果が出るとも言われています。一番美味しいとされ高値で取引されるのが黒あわびで、メガイあわび(白あわび)は煮物や蒸し物に向いています。

    三重ブランドストーリー「あわび」

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水揚げ漁港や漁法

伝統的な海女漁による漁が基本。
海の恵みを大切にするため、稚貝の放流も実施

 あわび漁は海女さんによる素潜りが中心で、国立公園でもある伊勢志摩地域から紀州地区まで、広い範囲で水揚げされます。命綱と約13kgのおもりを結んで、一気に海底へ。平均30~40秒の潜水時間で、一匹一匹捕獲します。全国には約2,000人の海女さんが活躍していると言われていますが、その約半数が三重県の海女さんです(2010年・海の博物館調査)。文化的価値も高い伝統的な素潜り漁技術を保存していく必要があるとして。2014年1月には「鳥羽・志摩の海女」が県の無形文化財として指定されました。
 貴重な海の恵みを守るため、三重県では資源管理を徹底しており、禁漁期間を設定したり漁獲サイズを限定したりしています。さらに毎年夏には約20,000匹の稚貝を放流。しかも、牡蠣などの貝殻に付けて、海女さんがわざわざ岩礁へ置きに行くという手の掛けようです。この熱心な取り組みが、あわびのおいしさにつながっていると言えるでしょう。

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