~JF全漁連プライドフィッシュプロジェクト企画委員会委員の上田勝彦氏による、目からウロコのお魚レシピ~
朝日おかあさん新聞で紹介された簡単で美味しいレシピを公開中!
レシピや料理のコツなど魚料理に役立つ情報をお届けしていきます!!
刺身、生食のすすめ
魚には良質なたんぱく質やミネラル、カリウムが豊富に含まれています。また、新鮮な生魚には生命活動には欠かせない酵素が含まれているので、加熱せずに食べると酵素を生きたまま取り込めます。定番の醤油やワサビだけでなく、ゴマ油やバジルなど調味料や薬味次第で、和洋中にアレンジも変幻自在。焼き魚などに比べて手軽で、調理時間の時短にも!
臭みを取る下処理
魚を柵や切り身で買う場合は、必ず「刺身用」とラベルに書いてあるものを選びましょう。 新鮮な魚の場合、身の中ではなく表面に菌がついています。水気を好むため、濡れたまま放置していると菌が繁殖し、それが臭みの原因に。買ってきた柵や切り身の魚は、パックから出して表面を流水で手早く洗い、すぐに水分をしっかり拭き取ってキッチンペーパーに包み、冷蔵庫で保存しましょう。買ってすぐにこの下処理をしておけば、2~3日は日持ちします。
下処理の方法流水3秒、すぐに水気を拭く
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流水で約3秒表面を洗う
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吸水布で水分をしっかり拭き取る
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キッチンペーパーに包んで冷蔵庫へ
朝こそ!魚ごはん
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- 魚おかず例
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- カツオとさらし玉ねぎ
- アジのなめろう
- アジのさんが焼き
- あら汁
前日の夜に仕込んだものを朝に出すだけでOK。カツオも、前日に買ったものを下処理しておけば、朝は切って並べるだけ。手軽に朝ごはんが完成します。アジの下処理、料理4段活用はページ下部にてご紹介しています。
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前日に塩を振って仕込んでおいた塩マグロに、柑橘類(オレンジ)を絞ってオリーブオイルをかけるだけで、洋風マグロ料理の出来上がり。サバと甘酸っぱいリンゴは相性がとても良いので、〆サバにしてオープンサンドにすれば、ちょっとおしゃれな朝ごはんになります。
魚のうま味をアップさせる
「塩〆」と「酢〆」
塩〆
塩マグロ
どんな魚も、塩で〆ておくとうま味がアップし日持ちもします。特にマグロは味が凝縮し、生ハムのような味わいも出てきます。そのままワサビで食べてもよし。お好みの味付けでアレンジしてもよし。オリーブオイルやハーブ、柑橘果汁、黒コショウで洋風に、豆板醤やゴマ油であえれば中華風にも楽しめます。
〔作り方〕
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バット(マグロが入っていたプラスチックトレーをよく洗ってから利用してもよい)にまんべんなく塩を振る
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その上に水洗いなど下処理済みのマグロを置き、塩をまんべんなくまぶして10分ほど冷蔵庫に
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色が艶やかな赤に変わったら流水で洗い、水気をよく拭き取る
フルーツのアレンジレシピ
オレンジとオリーブオイルで塩マグロのサラダ仕立て
- 作り方
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① パプリカと玉ねぎを薄くスライスし、玉ねぎは水にさらしておきます。
② パプリカと玉ねぎをお皿に敷いたら、塩マグロを薄く切って盛り付けます。
③ オレンジ果汁を絞って(100パーセントオレンジジュースでも可)、オリーブオイルをかければ出来上がりです。お好みで黒コショウやケイパーを加えてどうぞ。他の柑橘類でも楽しめます。
酢〆
〆サバ
塩〆したのち、さらに酢で〆るとうま味だけでなく食感も良くなり、爽やかさも増して臭みもさらに抜けます。コハダ、アジ、イワシ、サンマなどの青魚は傷みが早いので、買ってきたら塩をして保存し、食べる前に酢〆にすれば安心です。
〔作り方〕
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両面に塩をまぶす。水分と一緒に臭みが出てくるので、キッチンペーパーを敷いて30分ほど冷蔵庫に
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塩を洗い流して水分を拭き取る。キッチンペーパーを敷いたバットの上に置き、米酢または穀物酢を注ぐ
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キッチンペーパーをかぶせ、30分~1時間、好みの〆加減になるまで冷蔵庫に入れておく
フルーツのアレンジレシピ
リンゴと〆サバのオープンサンド
- 作り方
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① リンゴは5mm厚に玉ねぎは薄くスライスし、玉ねぎは水にさらしておきます。
② 軽く焼いたバケットの上にリンゴ、5mm厚に切った〆サバ、玉ねぎをのせ、お好みで黒コショウをふれば出来上がり。ハーブをトッピングするのもおすすめです。
アジの4段活用
おなじみのアジ。刻んで薬味と混ぜる「たたき」は多めに作るのがおすすめ。これに味噌を加えてさらにたたけば「なめろう」、これを丸めて焼けば「山家焼き」。また、なめろうをお椀に入れて水で溶けば「水なます」にと4段活用できるので、ぜひ挑戦してみてください。
なお、魚を柵や切り身で買う場合、必ず「刺身用」とラベルに書いてあるものを選ぶこと。切り身で買えば家での下処理が楽ですが、丸(魚一匹まるごと)で買うとアラまで利用できます。さばくのが苦手、時間がないという場合は魚屋さんでおろしてもらい、アラもつけてもらって料理に使いましょう。
調理の前にアジの下処理|買ってきたらすぐにここまでしておきましょう。
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首の根を掴んで、エラと内臓を下に引きちぎる
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流水でよく洗う。腹の中は歯ブラシで。体の表面はステンレスたわしでこする
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吸水布でしっかり水分を拭き取る
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お腹の中にペーパーを詰めるようにして全体を包む
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冷蔵庫で保存(鮮度が良ければ2~3日は日持ちします)
調理時には頭と骨をはずして、皮をむきます。
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包丁を頭ギリギリにあて、骨の上を下へ下へ削るようにして身を外す
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腹骨を削る
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頭の方の皮を少しめくり、包丁の背を利用して皮をこそげるようにむく
アジの4段活用
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1段たたき
たたきと言えどあまりたたかず、細切りにしたアジと細かく刻んだ薬味をあえる程度が美味しい。
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2段なめろう
味噌と薬味がよく混ざるよう、包丁でたたきます。
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3段山家焼き
ピンポン玉くらいに丸めたなめろうを大葉にのせて平たくし、中火で大葉の面から先に焼きます。裏返して軽く焼き目がついたら出来上がり。生でも食べられるので、半生でもOK。
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4段水なます
熱い味噌汁もいいですが、なめろうを氷水で溶いた水なますも、スッキリ美味しくて暑い夏におすすめ。味が薄いようなら、少し味噌を足して味を調えてください。
さらに!骨も捨てずに活用できます。
5段あら汁
〔作り方〕
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アジなどの小魚の骨はハサミで切る
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よく水洗いしてしっかり水気を切る
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鍋に水を入れ、先に味噌を薄めに溶き、大根など根菜類は先に入れ、アラを加えて強めの中火にかける
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沸くほどに濃いアクが出てくるのですくい取り、大根に火が通ったら出来上がり(葉ものは最後に入れること)
※味噌の塩分で、アクがしっかり出て臭みを取り除くことができます。
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撮影時の様子
朝日小学生新聞 朝日おかあさん新聞 vol.159掲載