世界三大潮流「鳴門の渦潮」で知られる鳴門海峡。
激しい潮流が、ここでしか味わえない「鳴門鯛」を育む
「魚の王様」ともいわれるマダイ。その中でも、潮流の速い鳴門海峡でもまれたマダイは一級品です。江戸時代前期の文書「本朝食鑑(人見必大著、1697)には、「一種に、形・色は普通で肉の中の大骨の節の辺に瘤(こぶ)をつけたものがある。俗に、鯛が阿波の鳴戸の急灘を乗りきると骨が疲れるので瘤が出来る。」と記されています。鳴門の海は、渦を見るために多くの観光客が訪れるように、潮が大変激しく動いているのが特徴。骨に瘤ができるほど厳しい環境のなかで泳いでいるため、「鳴門鯛」の筋肉は引き締まっています。これが、鳴門のマダイがおいしい理由。鳴門鯛の美味しさは、この海域の特性によってもたらされています。
コリコリした歯ごたえの引き締まった身、そして適度な脂の乗り。特に、春の産卵を控えたマダイは「桜鯛」と呼ばれ、しっとりとした脂を蓄えて一層おいしくなります。また、「鳴門鯛」には、タンパク質、タウリン、EPA、DHA、ビタミンB1、ビタミンB2(内臓部分)などが多く含まれます。これらの成分には、成人病予防、ダイエット、ストレス、美肌、視力低下予防などに効能があると言われています。
また近年では、堂浦(どうのうら)の「うず華鯛」、鳴門町の「サクラタイ」、北灘の「べっぴん鯛」など、地域限定のブランド化も推進中。食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。
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