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徳島県

とくしまのクロノリ


旬:12~4月

豊かな山や川からの贈り物、
それが、とくしまのクロノリです

プライドストーリー

日本人女性の髪に似た、漆のような光沢と深い黒。
豊かな栄養塩と潮流で育つ、上質で元気なクロノリ

 日本人女性の髪の特徴は、強くて、太くて、元気に見えて、キラキラしていることだとされます。とくしまのクロノリも同じです。その特徴は、何といっても色の黒さと光り輝く光沢。そして、「噛みしめがいのある食感がよい」と仰る熱烈なファンが全国に多くおられます。
 ノリを焼いたときの良い香りは「日本」そのもの。香りの成分ジメチルサルファイドと呼ばれる磯の香りを呈する物質は、焼くことで多く出て日本の風情を演出します。酢もこの物質を出しやすくします。酢飯、海苔、磯の芳香物という組合せが、寿司を「日本の食の象徴」たらしめているのです。
 徳島のノリ漁場は紀伊水道に位置しています。そしてその最大の特徴は、吉野川、那賀川、勝浦川など、名だたる大河川が運ぶ豊富な栄養塩に支えられていることです。豊かな森を育む窒素やリンは、川を通じ海に下ります。そして、海藻類では体細胞の表面から直接取り込まれ、魚類などでは、栄養→植物プランクトン→動物プランクトン→小型魚→大型魚とかたちを変えて、多くの生物を育みます。これは古代から営々と続く大自然の営みで、これにより人は多くの糧を川や海から得ています。漁業者は、日々その恩恵にあずかっているので、豊かな山や栄養の流れ(食物連鎖)の重要性を強く認識しています。
 最近、クロノリの収穫量は減少傾向にあり、関係者の頭を悩ませています。漁業者は、この漁獲量減少の最大の原因は、栄養不足だと考えています。事実、海水中の栄養分は減少傾向にあります。数十年前の水質汚濁や赤潮の頻発で「きれいな海」の重要性が叫ばれ国の施策で水質規制が行われた結果、「透き通っているが栄養分が少なくやせた海域」が多くみられます。漁業者は、これは、今後の漁業生産を考えるうえで重要な問題だとして、「豊かな海」をつくる運動をしています。

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水揚げ漁港や漁法

漁師自慢のクロノリは、
主に大河川河口の紀伊水道で養殖されています

 北は松茂町の今切川から、南は阿南市の那賀川まで、その間の河口を中心とする紀伊水道で養殖されます。
 毎年の作業は、胞子をノリ網に付着させる10月の「採苗」から始まります。水車に巻いた網を胞子海水に浸し、適量の胞子を網に付けるのです。胞子海水は、胞子のもぐり込んだ貝殻を海水中に置き胞子を出させたものです。
 10月下旬から11月中旬の「育苗」では、干出等の網管理を行うことで、海上に設置したノリ網のノリ芽を数㎝の大きさに育てます。この時期は、台風の接近や気候不安定等による管理の難しさがあり、特に外海に面した漁場の多い徳島県では最も神経を使います。
 11月下旬には、沖合の漁場で、育苗済のノリ網を大きく育てる「本養殖」を始めます。約1月後に、20㎝程度に成長したノリを、摘採機(刃を回転させノリを摘み取る機械)で摘み取ります。摘採機を乗せた漁船は潜水艦と呼ばれますが、これは、海面に張った網の下に潜り込んで刈取作業をするところから付いた名前です。摘み採られたノリは、陸上施設内の洗浄タンクで海水と一緒に洗浄され、エビ等が除去されます。その後は、製造施設で成形、乾燥され、21×19㎝の板ノリができます。これら板ノリは、10帖(じょう)<1帖は板ノリを10枚重ねたもの>を10重ねた100枚毎に束にされます。更に、36束(3600枚)が1つの段ボール箱に詰められ、徳島県漁連の検査場に運び込まれます。品質により等級格付され、入札会で全国のノリ販売会社にお買い上げいただきます。味付ノリ・焼ノリ・おにぎりノリ・ふりかけノリなどに加工され、全国各地の店舗で販売されます。

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