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大阪府

魚庭のイカナゴ


旬:2月下旬~3月

春の風物詩、イカナゴ新子漁!
12月に砂場で生まれて、新子は3月に春の訪れを告げます!

プライドストーリー

毎年2月下旬頃になると、春を告げるイカナゴ漁が始まり、港や街が活気づきます!
地元で愛されている「くぎ煮」を炊く香りが街中に広がります!

 西日本で全長3~5センチの小さなサイズは「シンコ(新子)」と呼ばれ、地元の郷土料理である醤油と砂糖で甘辛く炊いた「くぎ煮」や、湯引きした「釜揚げ」、干した「かなぎちりめん」として珍重されています。成魚は、「フルセ」や「カマスゴ」と呼ばれ、釜揚げしたものをそのまま、あるいは焼いて、二杯酢で食べたりします。
  地元で愛されている「くぎ煮」は、佃煮の1つで、水揚げされた鮮度の良いイカナゴと醤油、砂糖、みりん、酒、生姜などを釜で水分がなくなるまで炊き込んで作られます。その炊きあがったイカナゴの見た目は茶色く曲がっており、錆びた釘に見えることから「釘煮」と呼ばれるようになりました。炊き上がった「くぎ煮」は醤油と砂糖で甘辛く、とても美味しい。この時期になると、家庭で「くぎ煮」を炊いた甘辛い香りが街にただようほど。また、家庭毎に炊き方や味、生姜や山椒、唐辛子味等の調味料が少しずつ変えたりするなど楽しまれています。また、地元のスーパーでも生のイカナゴ(新子)やくぎ煮が山積みされ、春の訪れとして消費が盛り上がります。

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水揚げ漁港や漁法

漁師は200~300メートルもある網を2隻の船で、潮目をみながら、巧に曳きます!
漁師はイカナゴの資源を守るため、毎年、解禁日や休漁日を決めています!

 イカナゴ(新子)漁は、船びき網漁業により水揚げされます。通常、2隻の漁船(網船)で、200~300メートルくらいある1つの網を曳き、泳いでいるイカナゴを群れごと獲ります。袋の先(獲れたイカナゴの溜まる部分)は着脱式になっており、もう1隻の船が獲れたイカナゴを漁港に運搬したり、魚群探知機を使ってイカナゴを探したりします。通常3隻の船で漁が行われます。イカナゴ(新子)は遊泳力が十分発達していないため、水流がぶつかりあう潮目に集まります。漁師は、潮目ができる海の地形や潮の干満、風など色々と思考をめぐらせ、漁をしています。
  漁業者はイカナゴの資源を守り、末永くイカナゴを皆さんに食べ続けてもらえるよう、毎年、解禁日や操業時間、休漁日等を決めています。解禁日は、大阪湾と播磨灘の水産試験場で調査されるイカナゴの資源量や生育度合いを参考に、大阪湾と播磨灘の船曳網漁業者協議会で、解禁サイズ(3cm前後)の成長予測をして解禁日が決定されます。そして、解禁日をかわきりに一斉に漁師がイカナゴ漁を開始します。
  イカナゴは12月から1月頃に産卵し、2月下旬~3月上旬頃のイカナゴ新子漁の解禁を迎えます。イカナゴの主な産卵場は、播磨灘の鹿ノ瀬や室津ノ瀬などで、大阪湾内でも沖ノ瀬や友ヶ島周辺等の砂泥底で産卵・生息しています。イカナゴはもともと北方の魚であるため、温暖な大阪湾の夏(6月~7月頃)になると、砂に潜って活動を停止する「夏眠」をします。そして、そのまま冬に入る(11月頃)までじっとしており、12月頃になると砂泥底で産卵し、1才で約10cmまで成長し成熟します。そして、3才程で体長15~20cmまで成長します。
  港周辺には仲買人などのトラックが多数横付けされ、約25kg毎にカゴに入ったイカナゴが積み上げられ、鮮度を落とさないよう、トラックにいち早く積み込んで運ぶ光景がみうけられます。

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