豊富な餌を食べ、上質な脂を蓄えるマアナゴの旬。
身の柔らかさと鮮度の高さが、美味しさの決め手
神奈川県横浜市金沢区にある「小柴」は江戸後期に生きた浮世絵師・歌川広重が描いた名所絵揃物「金沢八景」の中の一枚、「乙軸帰帆」で描かれた寺前地区に隣接する港町。昭和50年代に海岸線は埋め立てられ、今では人工砂浜を有する「海の公園」として市民の憩いの場となっています。「柴漁港」もその一画にあります。東京湾は小魚、ゴカイ、カニ、エビなど、マアナゴの餌が豊富。特に、海水がやや温まる梅雨から夏場にかけての時期は、餌をたくさん食べることから脂がたくさん乗って身も柔らかいマアナゴが揚がります。
マアナゴは、とてもデリケートな魚。漁獲する時、酸素が薄くなったり、ストレスがかかったりすると、白くまだらになって身が硬くなり、鮮度が落ちます。しかし、マアナゴの習性を活かした「アナゴ筒漁」であれば、マアナゴを傷つけず、ストレスを与えずに漁獲することが可能です。このため、鮮度が良く、美味しい状態で出荷することができるのです。2007年5月、全国紙の寿司ネタランキングで「小柴のアナゴ」が全国第4位となる評価を得るなど、人気を博しています。
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