赤い体に鮮やかな胸ビレとインパクト抜群!
かつては殿様に献上されていたほど、味の良さはお墨付き
ホウボウという呼び名は、海から揚げたとき、浮き袋を震わせて「グーグー」と鳴く声からついたという説や、脚のような胸ビレを動かして方々へ歩き回ることからついたなど諸説が囁かれています。
頭が大きく尾に向かって細くなる、円錐型の体形が特徴。胸ビレは半円型で大きく鮮やかな緑色で青い斑点があり、フチも青色。泳ぐ姿はまるで蝶が羽を広げているようにも見えます。胸ビレの一番下の3対の軟条はヒレ全体から離れていて、これを脚のように動かすことで海底を歩きます。成魚になるまで4年ほどかかるとされ、大きいものでは40~50cmにもなります。
頭が大きく色鮮やかで、脚のようなヒレで歩き回る様はとても滑稽に見えますが、食べると非常に上質な白身魚。刺身や煮つけ、唐揚げ、鍋、干物など多種多様に食べられていますが、特に煮付けは漁師の定番料理です。白身魚にしては脂質・タンパク質・ミネラル類が豊富で栄養価も抜群です。
江戸時代には「君魚(きみうお)」といって殿様に献上されるほどの高級魚でした。現在は漁獲量も増え、庶民的な味覚として料理店やスーパーにも並びますが、体の色が赤いことから、タイなどと同様に「祝い魚」として赤ん坊のお食い初めや七五三のお祝いに出されることもしばしばあります。ぜひともご家庭でご賞味いただきたい魚です。
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