愛媛で大切に育てられた「愛育フィッシュ」で、
愛あるブランドに認定された「みかん鯛」。
「みかん魚」誕生のきっかけになったのは、柑橘王国・愛媛県ならではの課題です。特産の「みかんジュース」の加工時に大量に発生・廃棄される搾りかすの活用が望まれていました。その解決に取り組んだのが、愛媛県農林水産研究所です。みかんの皮に含まれるポリフェノールが魚の血合いの褐変防止に活用できないか、と研究に着手。みかんの皮を混ぜた餌料を養殖魚に与えたところ、2ケ月ほどで血合いの褐変化の抑制効果が認められました。さらに、みかんの皮に含まれるリモネンという成分により、養殖魚特有の臭みが軽減され、ほのかな柑橘系の香りのする肉質の養殖魚に育つということも判明しました。 「誰も食べたことのない柑橘香のする魚が市場に受け入れられるのか」というチャレンジではありましたが、㈱宇和島プロジェクトが市場開拓を行ったところ、みかん魚に興味を示す大手飲食店も現れ、みかん魚の商業ベースでの生産が開始することになりました。みかん鯛は発売後も改良を続け、季節に合わせ餌に混ぜる柑橘の種類・割合を調整する等し、今では一年を通し、安定した品質での供給が可能となっています。
また、「みかん鯛」として商標登録を行っており、2015年には第7回フード・アクション・ニッポンアワードの最優秀賞を受賞。女性や子どもを中心に、魚が苦手な消費者層にも「臭みが無く食べやすい」と好評です。これまで魚を敬遠してきた人々にもアピールし、魚の消費拡大につながる可能性にも期待が寄せられています。お勧めしている食べ方は「塩で刺身」。臭みを感じないという特徴を活かし、魚のうま味をより一層楽しんでいただけます。一年を通して安定的に供給されているみかん鯛は、宇和島市のふるさと納税の商品としても活用されており、地域活性化にも貢献しています。
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