おいしいかきを作るため、「漁師」が山へ。
動かない貝だからこそ、育つ環境を重視しています。
「かき」って不思議な生き物だと思いませんか。かきは二枚貝なんです。二枚貝と言ったらあさりやはまぐり、ほたてがいなどが思い浮かびますよね!
あさりやはまぐりは大きな足を使って砂に潜ります。ほたてがいは大きな貝柱を使って身に危険を感じると殻をパクパクさせて随分な距離を泳ぎます。二枚貝って結構運動するんです。だから筋肉が発達して、そこが食べるとおいしいところなんです。
「かき」は?…ご存知のようにカキは岩や船底にくっつきます。子供のころに最初にくっついた場所から動くことなく一生を過ごすことになります。だから足などの筋肉は貝柱以外必要ないんです。長い進化の過程でなくなってしまいました。かきは内臓と貝柱だけ。一生をかけてひたすら海水を吸い込んで餌となるプランクトンを吸い取って太ります。成長や産卵に必要な養分を目いっぱい蓄えて丸々と元気になっていくんです。
かきが蓄えた栄養は人間にとっても貴重なもので、だからとってもおいしいんです。動けないかきだからこそ、丸々と元気に育ってもらうためには、かきにとって居心地がよく、おいしい餌がふんだんにある海を作ってやらなければなりません。
岡山の漁師さんたちはそのために山に木を植えに行っています。昔広がっていたアマモの茂みや干潟を取り戻しています。一生懸命「かき」に美味しく育ってもらうために、動けないかきの気持ちになって育てているんです。
「岡山かき」を見つけたらぜひ味わってみてください。漁師自慢の「かき」です。
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