海底近くのイカを「昼獲り」するから、甘みが深い。
透けるほどに新鮮な肉厚の身は、柔らかくてとろけそう
伊豆半島西岸に位置する西伊豆仁科で、古くから営まれるイカの一本釣り漁業。主な漁場は、日本で一番深い湾として知られる駿河湾中央部にある石花海(せのうみ)です。深い場所ばかりでなく40mほどの浅い場所があるため、その高低差によって湧昇流が発生し、豊かな漁場を形成しています。
イカの水揚は一年中行われますが、夏はスルメイカ、秋から冬にかけてはヤリイカの水揚が最盛期。希少価値の高いヤリイカは、高い鮮度を保ったまま市場へ届けるため活魚で出荷しています。旬のヤリイカは、肉厚でありながら柔らかく、独特のトロリとした甘みのある味わいが魅力です。夜に出航し、船の明かりに集まって浮上してきたイカを釣り上げる一般的なイカ漁と異なり、仁科では昼に出航して海底近くのイカを釣り上げるため、イカにストレスがかかりません。それが、甘みの強さにつながっています。内臓が透けるほど透明な刺身は、絶品。後味はサッパリとしているため、いくらでも食べられてしまいます。