現存する最古の「のり養殖」の地、浜名湖。
200年の時を越えて受け継ぐ、伝統の味
浜名湖の「のり養殖」の歴史は古く、現存する最古ののり養殖の地だと言われております。文政3年(1820年)、信州の商人森田彦之丞が角屋甚三郎方に投宿した際、浜名湖ではのりが養殖されていないことを知り、武州(神奈川県)大森で行われていた、浅海に粗朶をさして養殖する方法と製造の仕方を甚三郎へ伝授し始まったとされています。
伝えられたのりの養殖方法を実践したところ、非常に成績が良かったため、それ以来競って養殖を行い、のりの製造を始めました。
板のり・生のりともに地域に親しまれ、板のりは炙り、生のりはそのまま味噌汁に入れたり、天ぷらとして食べたり、三杯酢にしたりと地元に親しまれています。
2019年には漁業者団体の浜名漁業協同組合と食品加工業者の遠州食品加工業協同組合が「浜名湖のりブランド推進協議会」を立ち上げ、「浜名湖のり」を地域団体商標に登録しました。浜名湖のりブランド推進協議会Webサイトで歴史や養殖方法を説明し、イベント情報を紹介するなどPRに力を入れています。
令和3年における全国の「生のり類」の養殖収穫量は1,513トンで、そのうち静岡県の収獲量は352トンで日本一です。主に浜名湖で養殖が行われています。
また青のりと黒のり(スサビノリ)を混ぜ合わせてつくった「ぶちのり」があります。光にかざすと緑と黒が混じったぶち模様がみえる特徴があります。黒のりと青のりのいいところを引き出す板のりで軽く炙り香りを立たせておつまみとしてだけではなく、ご飯とも相性は抜群です。
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のりを洗浄するために海水を張った容器に入れている様子 -
浜名湖のりブランドロゴマーク。マーク中央部のグラデーション部は平仮名の「の」と「り」を重ね合わせたイメージ -
のりの収穫時期の浜名湖の風景。のり養殖のために打ったくいと、収穫後に水から揚げられた網 -
パック詰めされた青のり。生のり、冷凍生のりはパック詰めされた形で市販されている
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