複雑な地形で山と海の恩恵をたっぷり受けた身は
旨み深く歯ごたえ抜群、さらに栄養たっぷり
静岡県の東端部に位置する伊豆半島。半島の中央部には天城連山があり、太平洋から流れ込む湿った空気が標高1000mを超える山々にぶつかり、雨雲を発達させます。この雨が山間部を流れ、伊豆周辺の海へ山の栄養を運んでいきます。海岸の地形は「伊豆半島ジオパーク」と呼ばれ、海底火山群の痕跡である岩礁帯が多く入り組んだ海岸線が特徴。沖合いに流れる黒潮の影響を受けやすく、岩肌から離れないようツノを張り出したさざえは、荒波に揉まれ身がよくしまります。栄養豊富な海で育った海草を食べ、味が良く歯ごたえあるおいしいさざえに成長します。
通年を通して水揚げされ市場に並びますが、夏の産卵期に向けて栄養を蓄える春から初夏にかけてが旬。採捕されるさざえはほとんどが100g前後ですが、中には400g以上の大きなものも水揚げされています。なお静岡県では、漁業調整規則を設け殻蓋3cm以下のものは採貝捕禁止となっています。
さざえの身にはビタミン・ミネラル類がバランスよく含まれ、なかでもタウリンの含有量はトップクラス。コレステロール値を下げる効果や老化予防等に効果があると言われています。刺身、つぼ焼きはもちろん、ご飯と炊き込んだ「さざえご飯」は絶品。2015年より漁協がタッグを組んで開発した「さざえちゃうだー」など、新しい食べ方も伊豆からどんどん発信しています。
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